会社のビルのトイレ掃除のおばさんに教えてもらったこと

 

私の会社が入っているビルには、他にもたくさんの様々な職種の会社が入っている。しかも東京駅から近く交通の便がいいせいか、外国人もよく見かける。カレーの香辛料の香りを漂わせているインド人もいれば、キムチの匂いを漂わせている韓国人もいる(こちらは本当にいつもキムチを持ち歩いているらしい)。多種多様な人種が集まるので、ビルの一階にある飲み屋には、まさに多国籍な顔ぶれが揃う。料理も誰でも利用できるように、牛肉のみを使ったもの、豚肉のみを使ったもの、羊肉を使ったものなど、宗教のこともまで考えてメニューを考案されているようだ。顔見知りになった中国人にはよくわからない漢方をもらったり(飲んでいないけど)、外国のお客さんからいただいたからと珍しいお菓子をおすそ分けしてもらったり(これは食べる)、このビルにいるだけでも結構楽しめる。

そんな中、会社のビルのトイレ掃除のおばさんと仲良くなった。彼女もこのビルで働いて数年経っているので、色々なエピソードを教えてもらった。その中でも衝撃だったエピソードが、ヨーロッパから来たお客様が、なんとトイレの便座に入っている水で体を洗っていたというのだ。しかもそのお客様、おばさん曰く「キアヌ・リーブス似のイケメン」だそうで、それが本当ならば残念な話である。どんなに顔がキアヌでも、体をトイレの水で洗っているならばもうそれだけで愛せない。だけどおぇーとなっている私に反し、おばさんはどこか嬉しそうだった。その理由を尋ねてみると…「体が洗えるほどきれいなトイレだって思ってくれたってことでしょ?これからも頑張って掃除しなきゃ」とめちゃめちゃ前向きなアンサーが返ってきた。そのポジティブ精神を見習わねば、と思いつつも、キアヌ似の外国人を見かけると、ついつい身構えてしまう自分がいるのだった。